虹の世界
「逢いに行きます。」


空を見上げながら呟いてみる。

世間で言う、自然消滅だけはしたくない。

消滅なんかしたくないんだ。










あの日、震える手で受け取ったプレゼント。









君の指に居場所を見つけたのだろうか。

見付けていても、いなくても、どちらにしても微妙な気がした。










目の前にある、緑の蔦が伝わる小さな雑貨屋さん。

それは、あの日のまま、そこにあった。











逢いに………きました。










君に…………君の心に。






絡まった赤い糸をほどくために………。




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