虹の世界
街に溢れる様々な情報。彼の情報も、間違いなく流れていた。

気付かなかったのが嘘のような話しだと、静香さんが呆れた。

自分でも呆れた。

私は、毎朝、アイドルと一緒に散歩をし、アイドルを安いうどんやに連れて行った。

人混みの映画館に行き、観たくない映画を観せて。

有り得ない出来事。

忙しくて、なかなかデートする日が決まんない。ごめん。と謝る彼。

ツアーの準備だったんだと今ならわかる。

私の為にさいてくれた時間。

知らなかったわけじゃない。

あくまでも、情報として。

まさか、彼と結び付くなんて思いもしなかった。

どんなに嫌なことがあっても、朝、彼に逢う度に、疲れた心が暖かくなった。

頑張ろうって思えたから。



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