おにぎり丼。
第1章 潜入
■ことのはじまり
【おにぎり丼】
おにぎり丼というものを発明した。
……発見?いや、発明と言っても問題ないだろう。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
私は、とあるファーストフード店で、契約社員として働いている。
恐らく、ファーストフード店というと、マックやケンタのような全国チェーンをイメージすることが多いだろうが、私の職場は、1号店と2号店だけしか無い、ごく小規模なものだ。
私は2号店に勤務している。
2号店のほうが、2番目にできただけあって、設備も建物も新しく、立地も良い。
1号店に比べて、スタッフの年齢層も若く、フレッシュな感じだ。
反対に1号店は、建物も設備もスタッフも古く、立地も悪い。
しかし、1号店のほうが、味があって良いというお客さまも多い。
スタッフの技術も高く、安定した人気がある。
不思議なことに、同じ店の1号店と2号店でありながら、双方はお互いを必要以上にライバル視し、いがみあっている。
お互いの向上の為というわけではなく、ただひたすら、相手を出し抜いて1歩先に行くことだけを考えているのだ。
そのためには手段も選ばない。
働きはじめた当初は、何を馬鹿なことをやっているのだと、呆れたものだが、長いものには巻かれる性格。気付いた時には、1日50回の1号店への無言電話が日課になっていた。
おにぎり丼というものを発明した。
……発見?いや、発明と言っても問題ないだろう。
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私は、とあるファーストフード店で、契約社員として働いている。
恐らく、ファーストフード店というと、マックやケンタのような全国チェーンをイメージすることが多いだろうが、私の職場は、1号店と2号店だけしか無い、ごく小規模なものだ。
私は2号店に勤務している。
2号店のほうが、2番目にできただけあって、設備も建物も新しく、立地も良い。
1号店に比べて、スタッフの年齢層も若く、フレッシュな感じだ。
反対に1号店は、建物も設備もスタッフも古く、立地も悪い。
しかし、1号店のほうが、味があって良いというお客さまも多い。
スタッフの技術も高く、安定した人気がある。
不思議なことに、同じ店の1号店と2号店でありながら、双方はお互いを必要以上にライバル視し、いがみあっている。
お互いの向上の為というわけではなく、ただひたすら、相手を出し抜いて1歩先に行くことだけを考えているのだ。
そのためには手段も選ばない。
働きはじめた当初は、何を馬鹿なことをやっているのだと、呆れたものだが、長いものには巻かれる性格。気付いた時には、1日50回の1号店への無言電話が日課になっていた。