おにぎり丼。
あなたは、あなたの罪の重さに耐え切れず、とても辛い思いをしました。

脅迫されていたという噂も聞きました。

私がすぐに自首をすすめていたら、こんなことにはならなかったでしょう。

あなたが、何故、私をこんなにまで苦しめたのか、私には理解ができません。

私は、あなたと忠の幸せを願って、あなたの罪を許したのです。

あなたを告発するべきか、それとも、息子の幸せを守るべきか、私は悩みました。

私はずっと悩んでいたのです。

悩めば悩む程、わからなくなり、私は孤独になりました。

悩みぬいた結果、一つの結論に辿り着きました。

エリコさん、あなたは、もうダメなのです。

わざとではなかったとはいえ、あなたは、二郎を殺してしまいました。

あなたは、罪をつぐなうべきです。

しかし、私が、あなたのことを警察に話したら、忠は私を恨むでしょう。

忠は、何も知らないのです。

大切な1人息子に恨まれる人生なんて、耐えられません。

だから、私は死を選びます。

生きる自由と、死ぬ自由。

誰にでもある権利です。

弱い人間である私を許してください。

でも、本当に、もう生きていくわけにはいかないのです。

この世には、私を理解してくれる人間は誰一人いない。

私の罪を許してくれる人間も、どこにもいない。

私は、1人です。

今まで迷惑をかけてすみませんでした。


由美子、忠。

お父さんは先に行きます。

天国で会いましょう。


さよなら。

そしてごめんなさい。
< 126 / 202 >

この作品をシェア

pagetop