おにぎり丼。
姉が帰ってきたのは4時過ぎだった。

「ただいま~」

なんとなくご機嫌だ。

「お帰り。遅かったね」

「いつもよりは早いわよ」

「今日は早いって言ってたのに」

「お客さんとデートだったの」

「例の好きな人?」

「まあね」


姉は会話しながら、次々に服を脱ぎ、あっという間に全裸になってしまった。

「シャワー浴びてくるね」
姉はそう言うと、さっさとバスルームに行ってしまった。

姉がシャワーを浴びて戻ってくる前に、私は眠気に耐えられなくなって寝てしまった。



次の日、私が目覚めた時には姉はまだ寝ていたし、私は仕事があったので、すぐに家を出なければいけなかった。


私は遺書のことを早く誰かに伝えたくて仕方がなかった。


でも、エリコのロッカーの鍵の番号を知っていて日頃から勝手に開けていたという、やましい点があるので、むやみに誰にでも話せることではなかった。

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