おにぎり丼。
1号店で働き始めて一ヵ月が過ぎた。

私はすぐに仕事を覚え、店の人たちとも打ち解けた。

社員並に仕事が早いと評判になり、他のアルバイトから一目置かれる存在になった。



ファーストフーズ1号店は、老店長を含めて3人の社員と、アルバイト9人で店を回している。

アルバイトのうち5人は、早朝から昼までの早番の勤務だ。

私は昼から夜までの遅番として採用されたので、早番のメンバーとは接する機会がほとんど無い。

あったとしても休憩室で挨拶を交わす程度だ。


「みどりちゃん、今日の飲み会参加する?」


テーブルを拭きながら、エリコが言う。

くりっとした大きな瞳が印象的な美少女だ。

彼女目当てで店に通う常連客も多い。


「今日は夜に予定があるんです。残念だけど。」


「そっかー。みどりちゃん忙しいね。もしかしてデート!?」


「まあそんな感じです」


「それなら仕方ないね。じゃあ来週の飲み会は参加できるようにスケジュール調整しといてね。」


「はい。まかせてください」
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