おにぎり丼。
「正正堂堂と勝負しないで、内部に入り込んで、めちゃくちゃにしてくれたね。俺の1号店を」

「私は確かにスパイだったし、嫌がらせもしました……」

「そうだね」

「でも、だからって、人を殺して良いんですか?」

「いや。それはいけないだろう」

「村松さんの狙いは何ですか?どうしてこんなことをするんですか?」

「正義感と、愛社精神かな」

「やっぱり村松さんが犯人だったんですね」

「犯人?」

「エリコを殺したのは、村松さん、あなたでしょう」

「何を言っているんだ」

「姉にあげたマフラー、手編みじゃなくてユニクロでしたね」

「あ……ああ。確かにあれは悪いことをしたなあ」

「姉に近づいたのは、何か狙いがあったんでしょう」

「……!」

「村松さん、あなたのやったことは全部お見通しです!」

椅子にぐるぐるまきにされているとは思えないような、我ながら見事な決め台詞だ。

私は、頭の中を整理しながら、ゆっくりと話した。


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