おにぎり丼。
■居酒屋にて
村松さんのお祝いの飲み会は、いつもの居酒屋で行われた。
大衆的な居酒屋で、チューハイが280円で飲めるような店だ。
メンバーは老店長以外の社員2人と遅番4人の計6人だった。
ヨッチーは嫌われ者なので、ハブにされることも多いが、妻の由美子さんがうまくフォローしていた。
村松さんに小さなプレゼントを渡したり、一気飲みをしたりして、楽しい飲み会だった。
「本当、ダブルでめでたいっすね。いやあ、村松っちゃん、いけてるよ」
すっかりご機嫌になった二郎が言う。
「ありがとう。おい、二郎。今日はかなり飲んでないか?」
村松さんが言う。
「そんなことないっスよ~」
「顔色、紫色だぞ」
「マジっすか~!?」
二郎はかなり飲んでいる様子だった。
「本当。お水とか飲んだほうが良いんじゃないかしら」
由美子が優雅な手つきでお冷やを差し出す。
「サンQ」
そう言ってグラスを受け取ると、二郎はごくごくと水を飲んだ。
「もっと欲しい?」
「大丈夫。ありがちゅ~」
こうして見ていると、ヨッチーよりも二郎のほうが、由美子さんとお似合いのカップルのような気がする。
ヨッチーは、その2人を無言で見つめていた。
陰険な目だ。
汚く不揃いな前歯をカチカチと鳴らし、手は小刻みに震えていた。
「ヨッチーさん、きもいよぉ!」
エリコが言う。
エリコのような可愛い子が言うと全く嫌味に聞こえない。
ヨッチーも、ちょっと嬉しそうな顔をして、でへへと頭を掻いた。
髪からは、ほんのりポマードの匂いがする。
「臭!」
間髪入れず、エリコが言う。
「悪い悪い」
そう言いながらヨッチーは笑顔だ。
大衆的な居酒屋で、チューハイが280円で飲めるような店だ。
メンバーは老店長以外の社員2人と遅番4人の計6人だった。
ヨッチーは嫌われ者なので、ハブにされることも多いが、妻の由美子さんがうまくフォローしていた。
村松さんに小さなプレゼントを渡したり、一気飲みをしたりして、楽しい飲み会だった。
「本当、ダブルでめでたいっすね。いやあ、村松っちゃん、いけてるよ」
すっかりご機嫌になった二郎が言う。
「ありがとう。おい、二郎。今日はかなり飲んでないか?」
村松さんが言う。
「そんなことないっスよ~」
「顔色、紫色だぞ」
「マジっすか~!?」
二郎はかなり飲んでいる様子だった。
「本当。お水とか飲んだほうが良いんじゃないかしら」
由美子が優雅な手つきでお冷やを差し出す。
「サンQ」
そう言ってグラスを受け取ると、二郎はごくごくと水を飲んだ。
「もっと欲しい?」
「大丈夫。ありがちゅ~」
こうして見ていると、ヨッチーよりも二郎のほうが、由美子さんとお似合いのカップルのような気がする。
ヨッチーは、その2人を無言で見つめていた。
陰険な目だ。
汚く不揃いな前歯をカチカチと鳴らし、手は小刻みに震えていた。
「ヨッチーさん、きもいよぉ!」
エリコが言う。
エリコのような可愛い子が言うと全く嫌味に聞こえない。
ヨッチーも、ちょっと嬉しそうな顔をして、でへへと頭を掻いた。
髪からは、ほんのりポマードの匂いがする。
「臭!」
間髪入れず、エリコが言う。
「悪い悪い」
そう言いながらヨッチーは笑顔だ。