おにぎり丼。
私は、バイトが終わると、小踊りして、駅前のパチンコ屋さんに向かった。



自動ドアをくぐりぬけると、まず、さわがしさに驚いた。

パチンコの玉がぶつかる音なのだろう。


私は、手の空いていそうな店員を見つけて、声をかけた。

可愛い感じの若い女の店員だ。


「すいません!」

まわりがうるさいので、怒鳴るようにして私は言った。


「どうかしましたか?」


「この人、知ってますか?」

私はそう言って、携帯電話の液晶画面を店員に見せた。


「あ。ヨッチー?」

店員は即答した。

ヨッチーはこの店の常連らしい。

私がヨッチーの知り合いだとわかると、とたんに店員は姿勢を崩してタメ語で話し始めた。
< 27 / 202 >

この作品をシェア

pagetop