おにぎり丼。
第3章 謎
■クリスマスイブ
12月24日。
クリスマスイブ。
街中にクリスマスソングが鳴り響き、幸せそうなカップルが、そこらじゅうから湧き出てくる。
私は、わざわざこんなめでたい日に、1時間に5本しか無いような、速度だけめちゃくちゃ早い電車に乗っていた。
一駅一駅の間隔が長いから、都会の電車よりも、かなり飛ばすらしい。
私が降り立った駅は、地味で無難な服を着た中高年と、センスの無いクリスマスツリーが目立つ、淋しい駅だった。
サンタの格好をした若者が、ヤマザキのクリスマスケーキを売っている。
「小さいほう、ひとつ下さい」
「ありがとうございます。三千円になります」
私は千円札を3枚渡して、ケーキを受け取った。
駅前のバス停には人がたくさん並んでいる。
もうすぐバスが来る頃なのかもしれない。
案の定、2分と経たないうちにバスは来た。
私はそれに乗り込み、『区役所前』という停留所で降りた。
バス停から区役所を背にまっすぐ。それから曲がり角を右に。
少し歩いたところにある水色の一軒家。
それが私の目的地だった。
ドアフォンを鳴らすと、すぐに扉が開いた。
「みどりちゃん、久しぶり」
扉を開けてくれたのは由美子さんだ。
クリスマスイブ。
街中にクリスマスソングが鳴り響き、幸せそうなカップルが、そこらじゅうから湧き出てくる。
私は、わざわざこんなめでたい日に、1時間に5本しか無いような、速度だけめちゃくちゃ早い電車に乗っていた。
一駅一駅の間隔が長いから、都会の電車よりも、かなり飛ばすらしい。
私が降り立った駅は、地味で無難な服を着た中高年と、センスの無いクリスマスツリーが目立つ、淋しい駅だった。
サンタの格好をした若者が、ヤマザキのクリスマスケーキを売っている。
「小さいほう、ひとつ下さい」
「ありがとうございます。三千円になります」
私は千円札を3枚渡して、ケーキを受け取った。
駅前のバス停には人がたくさん並んでいる。
もうすぐバスが来る頃なのかもしれない。
案の定、2分と経たないうちにバスは来た。
私はそれに乗り込み、『区役所前』という停留所で降りた。
バス停から区役所を背にまっすぐ。それから曲がり角を右に。
少し歩いたところにある水色の一軒家。
それが私の目的地だった。
ドアフォンを鳴らすと、すぐに扉が開いた。
「みどりちゃん、久しぶり」
扉を開けてくれたのは由美子さんだ。