おにぎり丼。
エリコ。

ヨッチーが死んだ日に1号店をやめたエリコだ。

私はあわててコートを着ると、店を飛び出した。

エリコは店から出てきた私を見て、ひどく驚いた顔をした。

「エリコ!」

私が呼び掛けると、エリコは走りだした。

「待って!エリコ!」

私もエリコを追って走った。

しかし、すぐにエリコの姿を見失ってしまった。

私はとてもヒールの高いブーツをはいていたし、エリコはとてもすばしっこかった。

デパートの中にエリコが入ったのはわかったのだが、私がそこに辿り着いた時にはエリコの姿はどこにもなかった。

エレベーターで他の階に移動したのか、どこかに隠れていたのか、わからないが、簡単に見つけられそうになかった。

私は諦めて、駅に戻り、電車に乗った。
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