おにぎり丼。
■夜のデート
真っ白なシフォンのミニワンピに、黒い柄付きのタイツ。
ふかふかのファーのついたピンクのコートを羽織ると、私は夜の街に繰り出した。
様々なセンスの良い電飾に彩られ、きらめく街は、恋人たちを祝福しているかのようだった。
「おまたせ!」
と、待ち合わせ場所に陽気に現われたヒトシは、めずらしくスーツ姿だ。
人生初のクリスマスデート。
レストランに着いて、コートを脱ぐと、ヒトシは私のワンピースを見て、感嘆の声をあげた。
「今日はご馳走するよ」
「わ。ありがとうございます」
ヒトシがオーダーしたのは6千円のクリスマスコースだった。
「大奮発ですね」
「本当は、いつもこんな店に食べに来たいんだけどね」
ナイフでチキンを切りながら、ヒトシは言った。
「こんなおいしいもの食べたの生まれて初めてです」
私は本心からそう言った。
デザートは、可愛らしい小さなケーキだった。
「これ食べれるのかな」
と、私がかじってみた物は、金属で出来た小さなベルの形の飾りだった。
「それ、どう考えても食べられないだろ」
「てへへ」
私は照れ笑いをした。
可愛らしい金色のベル。
そのまま捨ててしまうのが勿体なくて、私はそれをハンカチで包んでバッグに入れた。
食事を終えると、ヒトシは飲み会があると言って、すぐにその場を去って行ってしまった。
ゆっくりイブの夜を過ごすつもりでいた私は、一人夜の街に取り残されてしまった。
淋しかった。
でも、忙しい中、私のために時間を空けて、レストランまで予約してくれたことに感謝しよう。
私はそう思うことにした。
ふかふかのファーのついたピンクのコートを羽織ると、私は夜の街に繰り出した。
様々なセンスの良い電飾に彩られ、きらめく街は、恋人たちを祝福しているかのようだった。
「おまたせ!」
と、待ち合わせ場所に陽気に現われたヒトシは、めずらしくスーツ姿だ。
人生初のクリスマスデート。
レストランに着いて、コートを脱ぐと、ヒトシは私のワンピースを見て、感嘆の声をあげた。
「今日はご馳走するよ」
「わ。ありがとうございます」
ヒトシがオーダーしたのは6千円のクリスマスコースだった。
「大奮発ですね」
「本当は、いつもこんな店に食べに来たいんだけどね」
ナイフでチキンを切りながら、ヒトシは言った。
「こんなおいしいもの食べたの生まれて初めてです」
私は本心からそう言った。
デザートは、可愛らしい小さなケーキだった。
「これ食べれるのかな」
と、私がかじってみた物は、金属で出来た小さなベルの形の飾りだった。
「それ、どう考えても食べられないだろ」
「てへへ」
私は照れ笑いをした。
可愛らしい金色のベル。
そのまま捨ててしまうのが勿体なくて、私はそれをハンカチで包んでバッグに入れた。
食事を終えると、ヒトシは飲み会があると言って、すぐにその場を去って行ってしまった。
ゆっくりイブの夜を過ごすつもりでいた私は、一人夜の街に取り残されてしまった。
淋しかった。
でも、忙しい中、私のために時間を空けて、レストランまで予約してくれたことに感謝しよう。
私はそう思うことにした。