おにぎり丼。
第4章 深まる謎

■新年

もし、何もかもが何とかなったら。

二人でシチューバーを作ろう。

アツアツのシチューを専門に出す、バーさ。

もちろん、スタンディングスタイルの。

みんな、カジュアルにシチューを楽しめるお店。

なあ。良いアイデアだろ。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




冷たい雨の降る夜。

私とヒトシは、二人でスパゲティを食べていた。

駅前にある小さなパスタ屋さん。

安いのに美味しいと、ヒトシのお気に入りの店だ。

「こうやって会うのも久々だな」

ヒトシが言う。

「もぐもぐ。そうですね」

「さっそく本題に入ろうか」

「はい。遺書ですね」


今日、ヒトシに会ったのは、ヨッチーの遺書の報告の為だった。

遺書のコピーを貰ってきたという話はしてあったのだが、実物を見せるのは、今日が初めてだった。

< 58 / 202 >

この作品をシェア

pagetop