おにぎり丼。
ヒトシの家は、小さな一軒家だった。

「一人で住むには広すぎるんだけどね」

ヒトシはそう言いながら、玄関のドアを開けた。


古いながらも、全体的によく整頓されていて、好感の持てる家だった。


「まあ、とりあえず飲むか」

ヒトシは、缶チューハイを冷蔵庫から取り出した。


「こうやってゆっくりお酒を飲むのって久しぶりです」

「僕もそうだ。最近忙しかったからな」


「本当。なんだか最近めまぐるしかったです」

「仕事のことか?」

「いえ。ヨッチーのこととか、エリコのこととか。いろいろあって」

私は、最近の出来事を全てヒトシに報告した。

ヒトシは興味深そうな顔をして、時折頷きながら、私の話を聞いていた。

「そういえば、エリコの自宅の番号……」

私がそう切り出した時。

ヒトシの唇が、私の言葉を封じた。


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