おにぎり丼。
「……!!」

そのまま、あっという間に私はソファに押し倒されてしまった。

「ちょっと……やめ……」

「案外、胸大きいんだな」

「やだ!ヒトシ、やめて!!」

私は必死で叫んだ。



ヒトシは我に返ったように、私を押さえ付けていた手をゆるめた。

「……すまなかった」


私は起き上がって、乱れた服を直した。

「私、もう帰ります」

「ごめん」

「あ。エリコの自宅の電話番号」

「そうだったな」

なんとなく気まずい空気の中、ヒトシはファイルからエリコの電話番号をメモして渡してくれた。

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