おにぎり丼。
その時だった。

唐突に、ヒトシが私の携帯電話を取り上げた。

「もしもし」

ヒトシは、ちゃっかりエリコに話し掛けている。

寝呆けているみたいだ。

「ヒトシ!ちょっと!」


「おとりこみ中だ。邪魔するな。オレが誰だかわかってるな!?」

ヒトシはそう怒鳴ると、電話を切ってしまった。


「きゃー!」

私はヒトシから携帯を取り返すと、あわてて電話をかけなおした。

エリコは電話に出てくれなかった。


「ヒトシの馬鹿~~~」

私が叫ぶと、ようやく正気に戻ったヒトシは、

「すまない」

と謝った。


5人の全裸の美女に囲まれて宴会をしていたら、突然、蟹江敬三が現れて、パチンコ玉を投げ付けてくるという夢を見て、気が立っていたらしい。

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