いちごキャンディー【短編】
私を名前で呼ぶ男子なんて、あいつくらいしかいない。


「なによ、隼人。どうせまた、あたしのことからかおうとしてんでしょ?」

「今回もどうせフラれたんだろ?っていうか、俺あいつに彼女いるの知ってたし」

「はぁ!?知ってたくせに、なんで教えてくれなかったわけ?」

「その方がおもしろいかなーと思って」

「隼人のバーカ!」

「はいはい、なんとでも言ってください」


イヒヒと歯を出して笑っているこいつは、『横田 隼人』。

家が近所で親同士が昔から仲が良かったため、幼稚園、小、中、高とずっと同じ学校に通ってきた。

むかつくところも多いけど、実はいいやつだってことを私は知っている。

私と同じで、彼女いない歴17年ってこともね。


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