くちづけのその後で
「西本さん、どうぞ」


西本君を診察室へと促し、彼が診療台に座った事を確認した。


「今日は早いんやね♪」


「まぁ……」


さっきまでよりも高い声になった助手に話し掛けられても、西本君は適当にあしらっている。


真子ちゃんの話、ほんまやったんかな……?


一瞬だけ、真子ちゃんの言葉が頭を過ぎったけど…


それを掻き消して、さっきの患者の会計を済ませてから次の予約を取った。


そして、明日の予約患者のカルテを棚から取り出していった。


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