くちづけのその後で
「西本さん」


カルテの確認を済ませて会計の計算をしてから、西本君を呼んだ。


「次の予約は、いつにされますか?」


先に会計を済ませ、お釣りと領収書を渡しながら訊いた。


「平日の今日と同じ時間で♪」


即答した西本君に、思わず小首を傾げてしまう。


「今日もギリギリだったみたいですし、大変じゃないですか……?」


あたしが控えめに尋ねると、彼は笑顔で口を開いた。


「でもこの時間じゃないと、お姉さんに会えへんみたいやし♪」


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