くちづけのその後で
「え?」


西本君がいきなりタメ口になった事と彼の言葉に驚いて、思わず目を見開いてしまった。


「今週でも、まだ空いてるとこありますか?」


そう訊いた彼の口調は、もう敬語に戻っていた。


西本君の態度に気を取られていたあたしは、慌てて予約表を確認する。


「空いてますけど……」


控えめに答えると、彼はクスッと笑った。


そして、緩めたままの唇を動かした。


「可愛い♪」


え……?


今、『可愛い』って言った……?


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