くちづけのその後で
「じゃあ、ここで……」


あたしが言うと、西本君は少しだけ寂しげな表情を見せた後、フワッと微笑んだ。


「ありがとうございました!朱莉さんと一緒に歩けて、嬉しかったです♪」


改めてそう言われると、何だか恥ずかしくなって…


「あっ、いえ……」


あたしは、西本君から視線を逸らしながら答えた。


「あのっ……!」


一瞬の沈黙の後、彼の声が響いた。


「え?」


少しだけ戸惑いながら西本君に視線を戻すと、彼がゆっくりと口を開いた。


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