くちづけのその後で
それから程なくして、海斗を迎えに行かなければならない時間だって事を、ふと思い出して…


「じゃあ、また……」


小さく言いながら軽く頭を下げて、急いで踵を返した。


「あっ、気をつけて!」


西本君の言葉を背中に受けながら、足早に歩き始める。


少し先の角を曲がる時に振り返ると、西本君はまだあたしの方を見ていて…


目が合った瞬間、彼はニッコリと笑いながら軽く手を振った。


あたしは戸惑いながら頭を下げた後、海斗の待つ保育園へと急いだ。


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