くちづけのその後で
「海斗、ごめん!」


保育園に着いて海斗の顔を見るなり、開口一番謝った。


「ママ!」


いつもよりも寂しげな教室にいたのは、海斗と先生だけで…


あたしの顔を見た海斗は、泣きそうな表情で走り寄って来た。


「最後やったんや……。海斗、ごめんね……」


あたしにしがみつく海斗を抱き上げ、先生に挨拶をしてから保育園を後にした。


「海斗、ごめん……」


何度謝っても海斗はあたしにしがみついたままで、そんな海斗の姿にすごく胸が痛んだ。


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