くちづけのその後で
西本君はゆっくりと歩いて来ると、あたしの目の前で立ち止まった。


あたし達の間に気まずい空気が流れて、息苦しくなりそうな緊張感があたしを包んでいく。


黙ったままの西本君が、気まずさを隠すように小さく俯いた。


深呼吸をしてから、頭の中を必死に整理する。


だけど…


どう切り出せばいいのか全くわからなくて、しばらくの間沈黙が続いた。


とりあえず、謝らな……


やっとの事でそこに辿り着いたあたしは、小さく深呼吸をしてから思い切って口を開いた。


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