くちづけのその後で
「また会いたい……」


西本君の真剣な声が、胸の奥を優しく締め付ける。


「でも……」


「俺さっ……!」


西本君は、戸惑うあたしの言葉を遮った。


そして…


「朱莉さんの事が気になって仕方ないねん!」


そう言ってから、満面に笑みを浮かべた。


「え……?」


今、何て言ったん……?


あたしの思考回路が、一瞬で停止してしまった。


目を見開いて呆然としていると、西本君が柔らかい微笑みを浮かべた。


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