くちづけのその後で
「朱莉さんって、子供おるやんな?」


そう訊いた西本君は、少し先に停めてある自転車に視線を遣ってから、あたしを見た。


その言葉で、海斗の笑顔を思い出す。


海斗の事言わな……


あたしは深呼吸をしてから、小さく頷いた。


「うん……。3歳の男の子がいてるねん……」


小さな声で答えると、西本君がニコッと笑った。


「やっぱりな♪」


彼に笑顔を向けられた意味は、よくわからなかったけど…


何故か、ほんの少しだけホッとしたんだ。


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