くちづけのその後で
「だからお願いっ!!朱莉さんの子供に会わせてや!」


西本君は至って真剣な表情で言って、顔の前で両手を合わせた。


その途端、あたしの笑いは止まった。


正直、すごく戸惑っていた。


だけど…


西本君なら、海斗に会わせてもイイかも……


心のどこかで、そう思っている自分(アタシ)がいる。


でも……


どうしよう……


その言葉ばかりがあたしの頭の中をグルグルと回って、西本君のお願いに頷く事も断る事も出来ずにいた。


< 149 / 808 >

この作品をシェア

pagetop