くちづけのその後で
「アホ……」


小さく呟くと、西本君がムッとしたような表情を見せた。


「アホちゃうし!ガキ♪」


「生意気!」


「そこは否定出来ひんわ」


唇を尖らせたあたしに、西本君が苦笑を零す。


変な子……


大人な表情を見せたり、子供みたいに無邪気な笑顔で遊んだり…。


どっちが本当の西本君なんだろう。


大人と子供、両方の顔をする彼に何故か翻弄されていく。


午後の心地好い陽射しを浴びながら、あたしはそんな事を考えていた。


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