くちづけのその後で
「もうちょっと境界線を張らなアカンなって!」


あたしは冗談っぽく言った後、クスッと笑った。


「……境界線?」


彼女の言葉に頷いて、真面目な表情で口を開く。


「あたし、ほんまに恋愛はしたくないから、恋愛モードにならんようにするねん」


あたしが言うと、真子ちゃんは黙り込んだ。


気遣かってくれている彼女には、すごく申し訳ないと思う。


だけど…


それでも敢えて言葉にしたのは、それが今の自分(アタシ)の正直な気持ちだから…。


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