くちづけのその後で

「……でも逆に言うと、『歯止めが効かなくなるから境界線を張る』って事ですよね？」


「え……？」


しばらく黙っていた真子ちゃんが口にした質問に、あたしは戸惑ってしまった。


「だって今の言い方やったら、『そうしないと好きになりそう』って事ですよね？」


付け足された言葉の意味を少しだけ考えた後、首を小さく横に振った。


「違うと思う……。ってゆーか、違うから！」


念押しするように強い口調で言い直すと、真子ちゃんは小さく苦笑しながら頷いた。