くちづけのその後で
「えっと、今日は遊ばれへんよ……」


あたしが言葉を選んで告げると、海斗は膨れっ面になった。


「なんでぇ?かいと、はやとくんとあしょぶの!」


「ん〜……。颯斗君、お仕事してるやろ?だから無理やねん」


「いやっ!!」


「でも、今日は無理やもん……」


あたしが何度言っても、海斗は首を横に振って同じ事を訴えて来る。


あの日から一度も、海斗は西本君の事を言っていなかったのに…。


言う事を聞かない海斗を見ながら、途方に暮れてしまった。


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