くちづけのその後で
「本人に訊いてみたらどうですか?」


黙って様子を見ていた真子ちゃんが、満面の笑みでそんな提案をした。


「えっ?いや、それは……」


「ってゆーか、それが一番手っ取り早いですよ♪」


あたしの言葉を遮った真子ちゃんは、悪戯っぽく笑ってからコールボタンを押した。


「ちょっ、真子ちゃん!」


慌てて言ったのと同時に、近くにいた女の子の店員が来た。


「はい、ご注文ですか?」


そう訊いた店員に、真子ちゃんが笑顔を向けながら口を開いた。


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