くちづけのその後で
慌てて手摺りから手を離して、咄嗟に口を開いた。


「違っ……!何となく持ってただけやもん!」


「無理すんなって!朱莉さん、わかりやすいし♪」


あたしが否定すると、西本君は楽しそうに笑った。


「こっち来る?」


「ここでイイ!」


キッパリと言って、海斗を膝の上に乗せた。


「ママ、だっこ?」


「うん!抱っこしててあげるから♪」


だけど、海斗は首を横に振りながらあたしの腕から抜け出し、元の場所に座ってしまった。


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