くちづけのその後で
窓の向こうには、夕陽に染まったオレンジ色の街が広がっている。


「綺麗……」


あたしは、無意識のうちにそう呟いていた。


「なっ♪」


嬉しそうに笑う西本君に笑顔を向け、また外を見つめる。


「恐くないやろ?」


「ん〜……。ちょっと恐いけど、外が綺麗やから平気かも……」


あたしが答えると、西本君はクスッと笑った。


「やっぱり恐かったんやん♪」


「もう……」


楽しげに笑う西本君に、また唇を尖らせた。


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