くちづけのその後で
観覧車を降りる時、西本君が笑顔で口を開いた。


「俺が海斗を抱っこするわ。朱莉さんは先に降りて!」


「え……?でも……」


「イイから♪」


「うん……」


戸惑うあたしを余所に、西本君はニコッと笑って慣れた手付きで海斗を抱っこした。


「……ありがとう」


「いえいえ♪」


笑顔でお礼を言うと、西本君も優しい笑みで応えてくれた。


あたし達は観覧車を降りた後、人気(ヒトケ)が少なくなった遊園地の出口に向かった。


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