くちづけのその後で
「ありがと……」


歩きながらもう一度お礼を言うと、西本君がクスッと笑った。


「お礼なら、何回も言って貰ったやん!」


「うん……」


「朱莉さんと海斗が喜んでくれたんなら、俺はそれだけで充分やし♪」


「でも、ほんまに嬉しかったから……」


あたしはそう言って、西本君の腕の中でスヤスヤと眠っている海斗を見つめた。


幸せそうな表情で眠る海斗に、確かな幸せを感じているのに…


その反面、心の奥底では少しだけ悲しみを感じている。


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