くちづけのその後で
帰るんや……


正直、またいつもみたいなノリでニッコリと笑って、『朱莉さん家に入りたい♪』とか言われるのかと思っていた。


だから、西本君のやけにあっさりした態度に少しだけ戸惑っていた。


西本君を家に入れるつもりなんて、ちっとも無いのに…


いざ彼が帰るとなると、何故か心の片隅で寂しさを感じている。


矛盾する気持ちに戸惑って、何を言えばいいのかわからない。


だけど…


「西本君っ……!」


気が付くと、西本君の事を呼び止めていた。


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