くちづけのその後で
「あ〜っ♪」


さっきまで西本君にベッタリだった海斗は、アニメのオープニングが始まった途端、テレビの前にかじりついた。


その様子を見ていた西本君は、楽しそうに笑った。


「さすが母親やな♪」


「これ、あたしが忙しい時とかの必殺技やねん」


「なるほど」


あたしがそう言うと、西本君が笑顔で頷いた。


だけど、その後すぐに沈黙に包まれてしまって…


部屋の中にはテレビの音と、それを観て楽しそうに笑う海斗の声だけが響いていた。


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