くちづけのその後で
「別に……」


何で連絡くれへんかったん……?


その言葉を喉元で飲み込んで、ぶっきらぼうに答えた。


「そっか……」


颯斗は小さく言うと、そのまま黙り込んでしまった。


あたし達の間に流れる沈黙が、息苦しくて堪らない。


今まで、どうやって喋ってたんやっけ……?


そんな事を考えなきゃいけないくらい気まずくなってしまっている事がすごく悲しくて、思わず唇をギュッと噛み締めた。


それから小さく深呼吸をして、ゆっくりと口を開いた。


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