くちづけのその後で
「とにかく、あたしはもう別れたいねん!もう絶対に連絡もせぇへんし、今日が最後やから」


「ちょっ……!待てって!」


「ごめん。今から用事あるから、もう切るし」


「朱莉!俺っ……!」


「ばいばい、颯斗……」


颯斗の言葉を震えそうな声で遮った後、すぐに電話を切った。


それから彼の番号とアドレスを急いで消し、電源を落とした。


真っ黒になった画面が、まるであたしの心の中みたい。


携帯の画面に、涙の跡がポタポタと付いていく。


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