くちづけのその後で
颯斗は海斗を布団に寝かせた後、あたしを見た。


「今日はごめんな……」


「ううん……」


首を横に振って、颯斗に笑みを向けた。


「無事で良かった……」


心底感じていた事を声に出した瞬間、あたしの瞳から大粒の涙が零れ落ちた。


「朱莉……?」


「あれ……?何でやろ……?」


気が緩んだのかもしれない。


心配そうな颯斗に必死に笑顔を向けるけど、溢れる涙は止まらなくて…


俯いたあたしは、そのまま床に座り込んで泣いた。


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