くちづけのその後で
朝食の片付けを済ませてから身支度を整えて、いつもよりも少しだけ早めに家を出た。


「ママー!あめー!」


「え?」


玄関の鍵を閉めていると、海斗があたしの服をグイグイと引っ張った。


振り返ると、海斗の言う通り小雨が降っていた。


「ほんまやね……。雨降ってるから、今日は歩いて行こっか。海斗、保育園までちゃんと歩ける?」


「うん!」


「イイ子やね♪」


笑顔で頷いた海斗の頭を優しく撫でて、もう一度家に入った。


< 87 / 808 >

この作品をシェア

pagetop