【短】雪の贈りもの
そんなある日。

今日も雪は降らなかったなと思いながら帰宅した夜。

いつものように感想ノートを開くと、雪男さんから思いも寄らないコメントが残っていた。

『もし、プリンの彼があなたに想いを寄せているとしたら、雪子さんはどうするのですか?』

そんな事、考えてもみなかった。

それに、考える必要もない事……。

『そんな事はあるはずないです。

けれど、せめて嫌われたくないとは思います』

だって。

2つのルミエールの行き先が、彼の口だけと考えたのは、私の勝手な願望。

大切な彼女と一緒に……というのが1番自然な流れだろう。

それに、私には……。

雪男さんの知らない秘密がある。

それを知っている彼は、私なんかを対等に見てくれるはずがない。

あの優しさも、ただの同情……。

そう考えると、体の中心にツンッと痛みが走った。

私の書き込みを待っていたのか、それともただの偶然か、雪男さんからの返事はすぐに来た。

『なぜそんなはずないと思うのですか?』

だって、私は……。

けれど、雪男さんだって、知らないから同情も敬遠もせず、こうして普通に会話してくれているんだろう。

それなら、知られたくない。


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