【短】雪の贈りもの
*雪の光
翌日は曇り空。
そして、私の20回目の誕生日。
まだ、雪は降らない……。
私は今日もまた、マフラーをしっかり巻いて店に向かった。
そしていつものようにケーキを売り、空いた時間はショーケースを磨き、手描きのPOPを作ったり。
その度に、店の外に目を向けては空を眺め、やっぱり変わらず曇っただけの天気に
『降らないかな……』
昨夜飾ったばかりの気持ちを、手持ち無沙汰に揺らしてみる。
そうして何事も起こる事なく終了してしまった1日。
私は、店の奥の休憩室でエプロンを外すと、ソファーにポンと腰掛け携帯を開いてみた。
見るのはやっぱり感想ノート。
『雪男さんだ……』
そこには、雪男さんから、自分のページに来るようにとのコメントが残されていた。
もう小説が書き上がったのだろうか?
私は急いで雪男さんのページに進み、その中にある
【光】
と言う小説を開いてみた。