【短】雪の贈りもの
*恋の音
雪男さんの小説はそこで終わっていた。
私は混乱した頭の中をゆっくり整理すると、自分の感想ノートへ戻り、返事を書き記した。
『小説、読ませていただきました。有希子』
そして携帯を閉じ、窓の外に目をやった。
昼間の天気は曇り空だったけれど、今朝見た天気予報では確かに雪だるまが笑っていた。
もし、空が味方してくれるなら──。
『あ……』
もう、迷う必要なんてないんだ。
ただ、始まったばかりの気持ちを素直に受け止めるだけ。
私は休憩室を飛び出し店に戻ると、店長にお願いして、ポケットの500円をルミエールに換えてもらった。
その箱を手に、店の裏口のドアを開き、外に足を踏み出す。
そんな私の視界に飛び込んで来たのは──。
白の世界。
見上げた空からは、真っ白な牡丹雪が降りて来ていた。
──ふわふわ。
彼を想えば、自然に聴こえる、雪の音。
空を見上げていた私の視界の片隅に、待ち侘びた人が顔を覗かせた。
私は混乱した頭の中をゆっくり整理すると、自分の感想ノートへ戻り、返事を書き記した。
『小説、読ませていただきました。有希子』
そして携帯を閉じ、窓の外に目をやった。
昼間の天気は曇り空だったけれど、今朝見た天気予報では確かに雪だるまが笑っていた。
もし、空が味方してくれるなら──。
『あ……』
もう、迷う必要なんてないんだ。
ただ、始まったばかりの気持ちを素直に受け止めるだけ。
私は休憩室を飛び出し店に戻ると、店長にお願いして、ポケットの500円をルミエールに換えてもらった。
その箱を手に、店の裏口のドアを開き、外に足を踏み出す。
そんな私の視界に飛び込んで来たのは──。
白の世界。
見上げた空からは、真っ白な牡丹雪が降りて来ていた。
──ふわふわ。
彼を想えば、自然に聴こえる、雪の音。
空を見上げていた私の視界の片隅に、待ち侘びた人が顔を覗かせた。