赤ずきんと狼。
「えっなになに!?何が起きたの!?」
遅れてきた咲がきょろきょろとあたりを見回す。
「もしかして…クスギが…」
「なわけないじゃん」
私は苦笑した。
そして、場所を変えて咲にさっきの事件を説明した。
「え…狼が!?」
やっぱり咲は驚いた。
そして、こう言う。
「やっぱり狼はクスギのこと好きなんじゃない?」
「まさか」
私は笑って返した。
「狼が私みたいなのを好きにならないよ」
根拠ならある。
さっきの狼と話していた女子高生はいまどきの女子高生だった。
私なんか地味だし…比べ物にならない。