赤ずきんと狼。
やっぱり狼は私のこと好きなじゃない。
さっきの暴力事件だって、ただの人助けだ。
「なんか…狼が可哀想だな…」
「だから、狼は私のこと好きなじゃないって」
「そうかもしれないけどさ…」
咲はどうやら狼と私をくっ付けたいらしい。
だけどそれはムリだよ。
さっきも言ったけど、私にはサトル君がいる。
私はサトル君としか付き合わないんだから。
ぼけっと考える咲に私は頬を膨らませて腕を組んでみせた。