赤ずきんと狼。



先ほどファーストフード店での暴力事件の先生のお説教から解放された隣の席の狼は私のことじっと見ている。



最近、狼が私の事を見ていることが多い。


≪やっぱり狼はクスギのこと好きなんじゃない?≫


咲のあの言葉を思い出しちゃうじゃない。


まさか…本当に…。


「なぁ、お前ってあの男に抱かれたの?」


「えっ!!!???」



私はビックリして大声を出してしまった。


皆は一瞬、こちらを振り向く。



「そっそそそそんな…」


「してねーのかよ」


「荒月には関係ないでしょ!?」



怒鳴る私に狼はいつもの絶対零度の微笑みを見せる。



「練習に付き合ってやろうかと思って」



「何言ってるの!!??」


狼は冷たくほほ笑む。



こいつ…冗談か本気なのか!?




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