赤ずきんと狼。
狼の挑発にのっちゃって…。
だって狼は―。
「今回のテストでこのクラスからは100点が二人出た。」
先生が自分のファイルを読み上げる。
「一人目は○○。」
生徒から歓声が上がり、一人の男子が先生からテスト用紙とお褒めの言葉をもらう。
「そしてもう一人は…」
もう誰だか分かっていた。
「…荒月。」
教室が一瞬にして凍りつく。
たぶん、皆は狼がこんな点数を取ったことに驚いているんだろう。
狼は澄ました顔で先生からテスト用紙を受け取った。
「あれ?俺にはお褒めの言葉がないの?」
狼は先生に向かって絶対零度の微笑みを見せる。