赤ずきんと狼。



「あっ公園!!」



久しぶりに来た公園は曇り空をバックにちょっと元気がなかった。



ここはいろいろと思い出がある。



語るにも少し時間がかかるほどだ。




「そういえば、スカウ元気?」



私たちはブランコに座った。



狼がブランコに座ると違和感があるけど、そこは伏せておいた。




「あー、あれから見てねぇな。」



荒月はぼんやりと答えた。



スカウとは荒月の猫。



っと断定はできない。



ノラ猫だけど、雪さんと荒月が大事にしていたらしい。




スカウも雪さんの死は悲しいものだったと知っている。



「あれから2年経つんだなぁ…。」




狼がポツリと呟く。



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